2017年2月13日月曜日

伝える・表現する・演奏する ~東京芸大・音楽環境創造科の卒展で感じたこと


2月11日に東京芸術大学音楽環境創造科の卒業作品発表《卒展》に行ってきました。


フルートを専攻していた私は、


個人レッスン、室内楽、吹奏楽、オーケストラなどの実技(演奏)

演奏や作品を理解するのに必要な、ソルフェージュ、和声、などの必修の授業

一般教養の講義もありますが、音楽科目の管弦楽概論、楽器学、などの講義や、
教職にも必要な副科ピアノや合唱、指揮法など

そして、卒業の単位は論文ななく、卒業演奏という形でした。


たぶん演奏することを学ぶ大学はだいたいこういう形だと思います。


音楽環境創造科は2002年に音楽学部に増設された新しい学科で、
創作・音響・音響心理・マネージメント・パフォーマンス・音楽文化、などのプロジェクトに分かれて、
1学年20人ほどの学部生、
そして音楽音響創造・芸術環境創造の大学院生が主に北千住で勉強しています。


何回か研究の発表の場であるアートパスや卒展に足を運びましたが、
私にとっては何をやっているのかよくわからないことも多かったので
今回はいくつかの作品を、製作者が説明し、ゲスト講評の方が講評をするというツアー?にくっついて
娘と一緒に回ってみました。


私達、楽器を演奏するものは、作品を通じて作曲家の思い、時代などの背景などを学び、考え、
そして、そのメッセージを伝えるために演奏する腕を磨く努力(練習)をします。


作品あっての演奏ですが、その表現こそが、オンリーワンの《 自分 》の演奏で
同じ作品でも人によって解釈も違うし技量も違う、その人の “ 個性 ” が出ます。


卒展の作品は研究したことを論文として発表する人もいますが
パソコンを駆使して言葉や動作、画像を一体化させる装置、音の再現
あまりみたことのないパフォーマンスなど、
いろんな形で作品を発表しています。


中には説明を聞いても私の頭では理解できないような作品もあったのですが、
作曲の学生が、人とは違う何かを残したいと、
自分の勉強してきたこと、自分の伝えたいこと、自分の個性を音に込めるのと同じように
音楽環境創造科の学生は、自分の伝えたいメッセージを、
アコースティックな音、論文という言葉だけでなく
自分が勉強してきたものを基盤にいろんな形で表現している、、という感じでしょうか。


息子は糸電話の装置で3人の違う個性の人の言葉をミックスさせたり繋がっている糸を触るとその声が遮断されるような装置を作っていました。


〈糸電話〉ありきの発想だそうですが、
そのテーマは個性(人格)やコミニュケーションなど、これまた私には難解な心理学や哲学的なものでしたが
その日の夜は帰って来てから私と娘(姉)に作品の説明をしてくれました。



演奏すること、作り出すこと、言葉、、などなど
手段は違うけれど自分の思いを伝えること


主に以前に作られた作品を楽器を演奏するというアナログ的な?表現をしている私ですが
今回は息子の説明、そして、私の感じたこと、わからないことについて娘と話したことで
わからないにも理解でき、また、新鮮な気持ちになりました。


音楽環境創造科の学生もこれから先、どういう道を進むのか、、、


音楽に限らずどの分野も、学校で研究テーマにしたことと実際の仕事は全く関係ないとは言えないまでも、ちょっと違うことが多いと思いますが、
学生の研究や卒業までの過程を感じ、
自分の歩んできた道、そして、子供の成長、そしてこれから歩む道も考えた1日でした。


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