2014年7月14日月曜日

三木稔メモリアルコンサート

昨日、2011年の12月に亡くなられた三木稔先生の遺言でもあった、3つのレクイエムを
演奏するメモリアルコンサートがトリフォニーホールでありました。

三木先生が曲順まで指定されたこのコンサート、
弦楽合奏によるレクイエムの <北京祷歌 >   
邦楽合奏による < コンツェルト・レクイエム >  
混声合唱のための < レクイエム > が、
総勢260人の出演者、満員のお客様の中で演奏されました。

三木稔先生のお嬢さん夫妻は私の同級生。
( ヴァイオリンの三木希生子さん、指揮の榊原徹さん ) 
今回の合唱付きレクイエムの三木稔メモリアルオーケストラは芸大時代の同級生中心に結成され、今回私もお声かけていただき、参加させていただきました。

残念ながら弦楽合奏と邦楽合奏のレクイエムは楽屋のモニターで一部しか
聴けませんでしたが、どちらも冒頭から惹き込まれるような、とても魅力的な作品。
弦楽合奏のレクイエムは、天安門事件のまさにその時に、北京に
滞在しておられた三木先生が、事件の犠牲者になった人達に対する思いを、
邦楽合奏のレクイエムは日本の鎮魂歌を日本の器楽 ( 邦楽 ) の作品で演奏することの
意義を強く感じて創作された作品だそうです。

混声合唱のレクイエムは、1963年に男声合唱で、その21年後に混声合唱、42年後にはバリトンとソプラノソロと、奥様の詩による「花の歌」も挿入され、
全6楽章となったこの作品を、東日本大震災のあとから大編成オーケストラへ改作を始め、亡くなられる年の7月に完成させたという三木先生の遺作。
この遺言コンサートが新作の初演となりました。
初演当時には特定していなかったものの、太平洋戦争の犠牲者の鎮魂を込めて作曲されたそうですが、
それに東日本大震災の犠牲者への思いも加わったのではないかと思いました。

これから始まるレクイエムのメッセージを暗示させるような前奏曲から始まり、1楽章で厳粛な雰囲気の静かなコーラスが入ると、
歌合わせの時から涙が出そうになりましたが、本番ではホールの中でオーケストラと合唱の響きが一体となり、その張りつめた空間の中で、
三木先生の思い、そして三木先生が思いを込めた犠牲者の思い、そして、私の友人である三木先生の家族の思いや、
三木先生の2ヵ月後に亡くなった自分自身の父への思いまで感じながら演奏していた気がします。

今回のブログは少し長くなりました。
レクイエムの緊張感さながら、久しぶりのオーケストラは私自身の緊張感も相当で、今回の仕事でまた改めて自分自身の課題もいろいろ感じましたが、
こんな素晴らしい作品を演奏させていただける幸せ、また、たくさんの同級生と一緒にオーケストラをできる幸せを感じる一日でした。
三木先生のメモリアルコンサートでしたが、こんなコンサートの遺言を残して下さった三木先生、それを企画して下さった実行委員の皆様、
そして何より同級生であり三木先生のご遺族で、このコンサートを成功させた、いくちゃん、きおちゃん ( いちもの呼び名で失礼 親しみを込めて! ) に感謝 ! ! です。


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